日本人と鯨文化

(1) 今の日本では鯨を捕獲しているのかどうかは知らないが私は捕鯨に賛成である。なぜなら日本には古くから伝わる鯨を食べるという食文化、そして鯨を使った芸術があるからである。

(2) 食文化の分野での鯨は何百年、何千年以上も前から私たち日本人の祖先によって研究され、現在に至るまで工夫に工夫を重ねられてきた。今もあるかどうかはわからないが9年程前に京都へ家族旅行で行ったときに、鯨専門の料亭のようなお店を見たことがある。専門というくらいだから鯨の食文化を継いでいるのだろう。当時9歳だった私には「鯨って食べれるんだ」と思ったくらいで鯨の捕獲数なんて気にも止めなかった。私には鯨を食べた記憶はない。しかし、日本人として生まれた以上鯨料理を食べてみたいと思っている。

(3) 次に、鯨を使った芸術についてであるがこれは日本の古典芸能の「文楽」のことである。「文楽」とは、義太夫節の語りに合わせて演じるあやつり人形の芝居のことである。人形を生身の人間のようになめらかに動かし、人々の心を芝居に引き込む。ここで重要なのは、なめらかに人形を動かすのに必要なのは技術を持った人形使いと鯨である。鯨は鯨でも1番絶滅に近いと言われているセミ鯨である。セミ鯨のヒゲを人形の頭の部分に使うのである。セミ鯨1頭のヒゲで1年から2年分の必要数が確保できるのである。

(4) 私は、日本の食文化や芸術のためなら鯨をどれだけ捕獲しても良いと言いたいのではない。私が言いたいのは節度を守った捕鯨である。鯨の繁殖状況を調査し、その年の捕鯨限度数と食文化においての最低必要数を決めての捕鯨に賛成である。芸術面ではアメリカがエスキモーのために北極セミ鯨の捕獲を認めているから、日本は捕獲する必要がない。アメリカから買えば良いと思う。