4.3 回帰直線を求める

───回帰直線の原理はわかりました、三ヶ島先輩。具体的にその直線を計算で求めるにはどうしたらいいんですか?

「うん。直線というのは、何を指定すれば決まると思う?」

───あー、中学校でやりましたね。ええと、「y切片」と「傾き」だったかな?

「そうだ。図で描くとこんな感じ」

「y切片というのは、xがゼロの時のyの値だ。傾きというのは、x方向に1だけ進んだとき、y方向にいくつ進んだかという値だ。思い出したかな?」

───じゃあ、最小2乗法によって、直線のy切片と傾きを決めれば、回帰直線が決まるというわけですね。

「そう。その通りだ」

───具体的には、どうやって求めるんですか?

「それには、偏微分の知識が必要だ」

───偏微分? 微分積分さえ習ってませんので、かんべんしてください。

「じゃ、計算の仕方だけ教えるね。意外と簡単だよ」

回帰直線を求める

まず、回帰直線の傾きだ。

相関係数の出し方はもうわかっているよね。そうすると、

回帰直線の傾き=相関係数*((yの標準偏差)/(xの標準偏差))

となる。ここで「*」はかけ算、「/」はわり算の記号だよ。

イメージにするとこんな感じだよ。

次に、y切片だ。

y切片=yの平均−(傾き*xの平均)

となる。

これもイメージにしてみよう。こんな感じ。

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