5.1 1人に2種類を評価してもらう

「もっと詳しく、差があるのかどうかをみたい」とあなたも考え、前回やったt検定をもう一度見直すことにしました。

「うーん、検定はこれ以上どうしようもないな。じゃあ、データの取り方から考え直してみよう」

前回取ってきたデータは、高校生一人が、一個のハンバーガーを食べてその味にたいして点数をつけたものでした。

「食べたのは、一個だけだった」

ということは、モグモグとワクワクを比べて点数をつけたわけではないのです。

そこで、あなたはさっそく駅に行き、女子高生8人を集めて、2種類のハンバーガーを食べて比較してもらい、それぞれのハンバーガーに点数をつけてもらいました。

ただし、どちらのハンバーガーを先に食べるかによって評価に偏りがでるといけないので、半分の女子高生にはワクワクを先に、残りの半分にはモグモグを先に食べてもらいました。

その結果が次の表です。並んでいる点数は、同じ女子高生が出した点数です。

 
女子高生 ワクワクバーガーの点数 モグモグバーガーの点数
1 90 95
2 75 80
3 75 80
4 75 80
5 80 75
6 65 75
7 75 80
8 80 85
平均 76.88 81.25
標本分散 43.36 35.94

平均評価点数を計算すると、ワクワクバーガーは、76.88点で、モグモグバーガーは、81.25点でした。ワクワクの方が、4.38点だけ低い評価になりました。

ところで、前の章で「一人につき一個のハンバーガーを食べてもらった」評価では、ワクワクバーガーは、76.88点で、モグモグバーガーは、81.88点でした。ワクワクの方が、5.00点だけ低い評価になりました。

これと比較すると、今回の調査では、ワクワクとモグモグでは、差がなさそうに見えます。

実際にそうなのでしょうか。検定をすることにしましょう。