6.2 2つの変数で予測する

───三ヶ島先輩。偏回帰係数と標準偏回帰係数の求め方はわかりました。でも、最初の目的は、最高気温と最低気温の2種類のデータで、客数を予測することです。

「そうだったね。ここでは2種類のデータのことを2つの変数と呼ぶことにしよう。つまり2つの変数で別の1つの変数を予測するということだ」

───そうです、それをやりたいんです。ぜひ!

「おお、すごい意気込みだね。大丈夫、ぼくたちにはそれをするための準備はほとんど整っているんだよ」

───ええっ、いつの間に。

「少しずつ、着実に進んでいるおかげさ」

───その予測の方法はどんなものなんですか?

「それは、重回帰モデルと呼ばれるものだ」

───重回帰モデルですか?

「そうだ。それに対して、以前にやった、回帰直線による予測は単回帰モデルと呼ばれている。単というのは1つという意味だ。つまり、単回帰というのは1つの回帰直線による予測という意味だよ」

───なるほど、じゃあ、重回帰というのは2つの回帰直線による予測という意味なんですね。

「そう、その通り。ただ2つだけではなくて、2つ以上、つまり3つでも4つでも、それ以上でも重回帰モデルになる。ここでは、2つの変数による重回帰モデルを説明していこう。それ以上の個数の変数でも、あとは同じだからね」

───ぜひ、お願いします。

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