4.4 実践編:ポテトの評価は?

ポテトの評価をt検定してみよう

あなたは、ハンバーガーの点数を聞くと同時に、ポテトの点数も聞きました。 その点数が下に示してあります。このポテトの点数を使って、t検定をしてみましょう。

 
ワクワクポテトを食べた女子高生 点数 モグモグポテトを食べた女子高生 点数
1 80 1 75
2 75 2 65
3 80 3 80
4 95 4 85
5 90 5 75
6 80 6 80
7 85 7 80
8 90 8 70

 

帰無仮説と対立仮説を立てる

まず、帰無仮説を立てます。

帰無仮説:

次に、その逆である対立仮説を立てます。

対立仮説:

有意水準を決める

ここでは、有意水準を5%としましょう。

指標tを計算する

Excelで、次のような関数を使って計算してください。

そして、tを計算します。

t=(標本平均の差)/(差の標本標準誤差)

ここで、AとBの母分散は等しいとして、「推定母分散」と表記すると、

差の標本標準誤差=sqrt((推定母分散/標本数A)+(推定母分散/標本数B))

        =sqrt(推定母分散×((1/標本数A)+(1/標本数B))

推定母分散は次の式で推定します。これは不偏分散を求める方法と同じで、平均からの偏差の平方和を(標本数−1)で割ったものに相当します。

推定母分散=(標本Aの平均からの偏差の平方和+標本Bの平均からの偏差の平方和)/((標本数A−1)+(標本数B−1))

この場合のtは:

自由度を求める

自由度は次によって求めます。

自由度=(Aの標本数−1)+(Bの標本数−1)=Aの標本数+Bの標本数−2

この場合の自由度は:

t分布表を調べる

tと自由度が求まりましたので、t分布表を調べます。

有意水準は5%ですので、5%の列の自由度(   )のマスを見ます。

そのときのtは:

自由度
有意水準5%
有意水準1%
1
12.706
63.657
2
4.303
9.925
3
3.182
5.841
4
2.776
4.604
5
2.571
4.032
6
2.447
3.707
7
2.365
3.499
8
2.306
3.355
9
2.262
3.250
10
2.226
3.169
11
2.201
3.106
12
2.179
3.055
13
2.160
3.021
14
2.145
2.977
15
2.131
2.947
16
2.120
2.921
17
2.110
2.898
18
2.101
2.878
19
2.093
2.861
20
2.086
2.845
21
2.080
2.831
22
2.074
2.819
23
2.069
2.807
24
2.064
2.797
25
2.060
2.787
26
2.056
2.779
27
2.052
2.771
28
2.048
2.763
29
2.045
2.756
30
2.042
2.750
40
2.021
2.704
60
2.000
2.660
120
1.980
2.617
1.960
2.576

計算したtと表の値を比べる

もしtが棄却域に入っていなければ、帰無仮説を採択します。

もしtが棄却域に入っていれば、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。

どちらですか:

結論を決める

帰無仮説が棄却されたか、あるいは採択されたかということによって、結論を述べます。

結論は:

いかがでしたでしょうか。

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