7.4 実践編:セットでいこう

ピリ辛セット

辛口クリスピーチキンは大好評で、あなたの分析が功を奏したようです。

「辛口、ってのがうけてるみたいなんだよ、それに、モグモグもパクパクもチキンには力を入れてないみたいだからね」

あなたが、ちらっと厨房のなかを覗くと、店員さんたちがハンバーガーとポテトを試食していました。

「今、食事なんですか?」

「いや、あれはね、新しいセット商品の試食してるんだ。辛いのがうけたから、ピリ辛バーガーとピリ辛ポテトのセットを売り出そうっていう案が出てね。」

どうやら、ワクワクでは「ピリ辛セット」を売り出したいみたいです。

「ピリ辛セットかぁ・・・でも『辛い×辛い』でいいんですか?辛いのがうけたからといって、単純にそうするのは安易のような気がするけど・・・」

あなたは、セットの組み合わせを検討するために、チキンのときと同じように、街の人60人に、それぞれの組み合わせセットに100点満点で点数をつけてもらいました。

ピリ辛バーガー
普通のハンバーガー
ピリ辛ポテト
普通のポテト
ピリ辛ポテト
普通のポテト
80 85 60 55
85 65 70 65
75 80 80 50
70 75 75 70
75 85 65 50
60 65 60 65
70 75 70 75
75 60 75 65
85 80 80 75
70 70 65 65
75 75 65 70
85 80 75 55
75 65 70 65
85 85 85 70
90 75 60 65

それぞれの平均点と標準偏差を計算してください。

答え

平均と標準偏差は次のようになります。

要因1
ピリ辛バーガー
普通のハンバーガー
要因2
ピリ辛ポテト
普通のポテト
ピリ辛ポテト
普通のポテト
データ数
15 15 15 15
平均点
77.00 74.67 70.33 64.00
標準偏差
7.70 7.85 7.63 7.79

分散分析をしよう

それでは、分散分析をしましょう。

まず、帰無仮説と対立仮説をたててください。

帰無仮説

対立仮説

それでは、ズレ(平方和)をExcelで計算していきましょう。

全体のズレ = 要因1によるズレ + 要因2によるズレ + 交互作用によるズレ + 残りのズレ(残差)

分散分析表を作ってください。

要因
平方和
自由度
平均平方
F
要因1
 1126.67
1
1126.67
17.54
要因2
 281.67
1
281.67
4.39
交互作用
 60.00
1
60.00
0.93
残差
3596.67
56
64.23
全体
59

Fがでたので、それぞれのFが有意かどうかをみて、分かったことを書いてください。

答え

要因1:自由度は1と56、F=17.54。これは1%水準で有意

要因2:自由度は1と56、F=4.39。これは5%水準で有意

交互作用:自由度は1と56、F=0.93。これは有意ではない 

交互作用のグラフをかいてみるとこうなります。

要因1、要因2の主効果に有意差が見られ、交互作用には有意差がありませんでした。

これから分かることを、ポテトとハンバーガーを使って具体的に説明してください。

答え

分散分析の結果、要因1、要因2の主効果に有意差が見られ、交互作用には有意差が見られませんでした。

この分散分析の結果と、平均値のグラフを読みとると、ポテトもハンバーガーもセットの組み合わせによる影響がなく、それぞれの「ピリ辛」が高い評価を得たということがわかります。したがって、ピリ辛ポテトにピリ辛バーガーの組み合わせが最も高い評価を得ました。

「よし、ピリ辛セットでいくぞ!」