3.3
読み手を意識する

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達人:「ここでおぬしらに、同じ内容での読み手を意識した良い日記の例と、読み手を意識していない愚痴ばかりの日記を読み比べてみてもらう。」

 

読み手を意識した良い日記
読み手を意識していない悪い日記
○月×日(木)

 その人は私のお腹を見ながら言った。「うちの会社の管理職でお腹の出ている人はいないですよ」 へ? 一体何が言いたいのかと思ったら、自分の体重も管理できないような人 に、他人の管理はできないんだ、というようなことを言いたいらしい。なにそれ? 自分の 体重の管理と他人の管理とにどういう関係があるというのだろうか。 
 確かに私のお腹は出ている。体重も標準体重を超える。体脂肪率も肥満領域だ。しかし病 的ではない。それでいいではないか。体重や身長はほぼ正規分布するのである。平均値よりも太った人もいればやせた人もいるわけで、なんら不思議はない。中年になって腹が出るのも、昔であれば「貫禄がついたね」とめでられるところである。

○月×日(木)

 その人は私のお腹を見ながら言った。「うちの会社の管理職でお腹の出ている人はいないですよ」 は? おまえは一体何が言いたいんだ思ったら、自分の体重も管理できないような人 に、他人の管理はできないんだ、というようなことを言いたいらしい。めちゃくちゃむかつく。なに?って感じ。てめーにいわれたかないよ!!おまえは腹は出てないけど、ガリガリすぎだっつーの!!ガリガリすぎて気持ち悪い。顔がデカくみれるってば。っていうか、自分の 体重の管理と他人の管理は関係ねーだろって感じ。 
 確かに私のお腹は出てる。体重も標準体重を超えるし。体脂肪率も肥満領域だよ。でも病的じゃないし。いいじゃんべつに。ほっとけよ!
 中年になって腹が出るのも、昔だったら「貫禄がついたね」とほめられるのにさ。おまえの場合は貫禄もへったくれもないって感じ。だたの病的おやじって感じ。

達人:「どうじゃ?感想は?」

好子ちゃん:「すごい!同じ内容の日記なのに印象が全然違う。読み手を意識している方は相手を傷つけるようなことは一切書いてないのね。自分の思ったことを率直に述べてるって感じ。しかも正規分布って言葉が使ってあって、逆に賢そうっていうイメージが感じられるわ。すごい!ひとつの意見としてまとまってるって感じね!!」

嫌くん:「逆に、愚痴ばかりの悪い日記の方は最悪だね。何が言いたいのかがよく見えてこないし、読んでるうちにだんだん腹が立ってくる感じがする。別に僕が『お腹が出てる』って言われたわけじゃないのに、どうしてこんなに気分が悪いんだろ?やっぱり、読み手を意識した日記の方がいいよ。」

達人:「そうじゃろ?だから読み手を意識した日記を書くんじゃ。その方が意見がまとまって、書いている自分も気分がいいし、未来の自分も気分がいいじゃろ?」

嫌くん。好子ちゃん:「うん。わかりやすい日記を書くようにしようっと。」


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