5.4 実践編:新作バーガー!

女子高生の評価がモグモグよりも低いことを知った店員さんは、

「味の改善をして、もっと女子高生をひきつけなければダメだ!」

と、ハンバーガーの味をいろいろ試みることにしたようです。 

ある日、久しぶりにお店に行くと店員さんがあなたのところに駆け寄ってきました。

「自信作ができたんだ!」

「お客さんは、今売り出しているハンバーガーとどっちがおいしいと思うか調べて欲しいんだけど」

というわけで、あなたは調査を行うことにしました。

改善前、改善後ではどちらがおいしいのか?

あなたは、改善前10個、改善後10個、合計20個のハンバーガーを抱えて駅に向かい、10人の女子高生に改善前・改善後のハンバーガーをひとつずつ食べてもらい、点数を付けてもらいました。

 
女子高生 改善前 改善後
1 65 80
2 70 90
3 85 80
4 70 90
5 80 90
6 80 85
7 80 80
8 70 90
9 80 85
10 70 80

帰無仮説と対立仮説を立てる

まず、帰無仮説を立てます。

帰無仮説:

次に、その逆である対立仮説を立てます。

対立仮説:

有意水準を決める

ここでは、有意水準を5%としましょう。

指標tを計算する

Excelで、次のような関数を使って計算してください。

そして、tを計算します。

t=平均の差/sqrt(標本分散/(標本数−1))

この場合のtは:

自由度を求める

自由度は次によって求めます。

自由度=差の標本数−1

この場合の自由度は:

t分布表を調べる

tと自由度が求まりましたので、t分布表を調べます。

有意水準は5%ですので、5%の列の自由度(   )のマスを見ます。

そのときのtは:

自由度
有意水準5%
有意水準1%
1
12.706
63.657
2
4.303
9.925
3
3.182
5.841
4
2.776
4.604
5
2.571
4.032
6
2.447
3.707
7
2.365
3.499
8
2.306
3.355
9
2.262
3.250
10
2.226
3.169
11
2.201
3.106
12
2.179
3.055
13
2.160
3.021
14
2.145
2.977
15
2.131
2.947
16
2.120
2.921
17
2.110
2.898
18
2.101
2.878
19
2.093
2.861
20
2.086
2.845
21
2.080
2.831
22
2.074
2.819
23
2.069
2.807
24
2.064
2.797
25
2.060
2.787
26
2.056
2.779
27
2.052
2.771
28
2.048
2.763
29
2.045
2.756
30
2.042
2.750
40
2.021
2.704
60
2.000
2.660
120
1.980
2.617
1.960
2.576

計算したtと表の値を比べる

もしtが棄却域に入っていなければ、帰無仮説を採択します。

もしtが棄却域に入っていれば、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。

どちらですか:

結論を決める

帰無仮説が棄却されたか、あるいは採択されたかということによって、結論を述べます。

結論は:

いかがでしたでしょうか。

店員さんは、喜んだでしょうか? それともがっかりしたでしょうか?

下のExcelシートで確認してください。

確認用のExcelシートをダウンロードする