3.5 (応用編)無相関検定

「アイ子ちゃん、どう? 結果は出た?」

───あ、店長。はい、出ました。アンケートの数が膨大なので、20個の標本を抜き出したんです。

「ええ? 20個だけでわかるの?」

───推定はできるんですよ。

「まあ、いいや。それで、年齢と1ヶ月あたりの来店回数は関係があるのか、ないのか、どっちなんだい?」

───はい、相関係数は0.267でした。

「おっ! ということは関係があるということだな」

───いえ、そうとは言えないんです。

「なに? どうしてだ?」

───うーん、店長にわかってもらえるかどうかわかりませんが、説明します。

「なぬ。店長をばかにするでないぞ。どんと来い」

───はい。それでは説明させていただきます……

統計学のことばで説明しよう

まず最初に、この結果を統計学のコトバで正確に説明してみよう。

→確認しよう

「ア゛イ゛子ちゃーん、なにそれ? 日本語? ごめんちゃい、ぼくにもわかるようなコトバで説明しておくれよ〜」

普通のことばで説明しよう

それでは次に、店長もわかるように普通のコトバで説明してみよう。

───店長、つまりですね。この相関係数の値は、もともとのアンケート全体で相関係数ゼロであったとしても、十分起こりうるんです。だから、0.267という数字だけにとらわれても意味がないということなんです。もちろん、標本をもっと取ればわかりませんが、この20の標本からいえることは、そういうことです。

「ア゛イ゛子ちゃーん、ありがとー、店長にもよくわかったよ〜」

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